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help リーダーに追加 RSS 異国の旅−7 ベナレス、「深い河 ディープ・リバー」

<<   作成日時 : 2005/05/04 19:25   >>

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連休中に書籍の整理を、と思いついたものの、遠藤周作さんの「深い河」を手にした後、半日は読書に費やしてしまった。氏の作品は、予備校時代に読んだ「沈黙」に感銘を受けて以来、「海と毒薬」「白い人・黄色い人」「わたしが棄てた女」「影法師」など印象深い作品が多数ある。                                                                                                                                                                                                     『狐狸庵』シリーズを含め、遠藤さんの作品に触れる度、人間について、生について、愛について考えさせられる青春時代の参考図書でもあった。 その「深い河」の舞台となったヴァーラーナスィ(ベナレス)の旅の想いを整理してみた。  
ベナレスで泊まったのは、作品にも出てくる『英国統治時代に英国人のクラブだった』 ”ホテル・ド・パリ”であった。
 落ち着いた簡素なつくりだが、清潔で従業員もフレンドリーな心地良いホテルだった。クラシックなベッドと小さな椅子だけのシンプルな部屋。天井でゆったりと風をかき回す扇風機。古ぼけてヒビ割れているが白いタイル張りの広いバスルーム。
熊井啓監督、奥田瑛次、秋吉久美子出演の映画「深い河」ロケでも6ケ月撮影隊が滞在したそうだ。日本人には何かと友好的で親しげに皆が接してくれたのは、そのせいかも知れない。

朝、まだ外は暗いうちに、ホテルを出てガンジス河のガートに向かった。昼間の喧騒が嘘のように街はまだ眠っている。しかし河のほとりは沐浴する人、それを見学する人で一杯だった。ガートから船に乗り、ガンジスの流れに出る。ゆっくり、ゆっくりと昇る太陽を眺め、時の流れを体感する。ガートでは人々が粛々と朝の行事を営んでいる。沐浴する人々、白い布を岸辺の石に打ちつけている洗濯屋さん。僧侶が打つ鉦が空に響いてくる。

『この河に入れば、それまでの罪はすべて流され、次の世界はよき境遇に生まれることが出来るとヒンズー教徒は信じています。』『人間の河のあることを知ったわ。その河の流れる向こうに何があるか、まだ知らないけど。でもやっと過去の多くの過ちを通して、自分が何を欲しかったのか、少しだけわかったような気もする。』  《『 』部分は「深い河」より引用

マニカルニカガートで下船して有名なビシュナワート寺院への道を歩く。狭い道に人が行き交う。牛ともすれ違う。「神様、買って」と言って、ヒンズーの神様の人形を売りに寄ってくる子供たち。
青空市場では、大根、にんじん、ねぎ、親しみのある野菜が山盛り。香草がやたら多く、しかも安い。
タバコは一本ずつでも購入可能で、紙巻、葉巻、噛みタバコと豊富な種類が屋台に並ぶ。
ベナレスにはインドの文化、歴史、哲学、豊かさ、悲しさ、生命力、あらゆるインドが凝縮していた。

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
素敵なエッセイですね。文章の力を感じます。ブログをはじめて、多くの方のブログを訪問しますが、書き手の人物像を知る手がかりになるのは、ほとんど言葉だけなので、ベールに包まれている感じがします。Mさんの場合は、自己紹介のところにご自分の写真を載せていらっしゃるので、なんとなくはどんな方かが伝わってきます。私は大人になってからは少し読書もするようになりましたが、学生のときにはほとんど読んでいません。なにしろ、国語嫌いだったんですから。実家にあった日本文学全集や世界文学全集も読むといいなと思いつつなかなか読めないでいます。
Sugar-Garden
2005/06/07 08:23
Mさん
紀行文も素晴らしいが、当時のことを良く覚えておられ、写真も直ぐに出てくるのはすごい」と「深い河」の話を出したところ、家内が「私は遠藤周作なら「深い河」と「沈黙」を読んだ。どちらも心に残る作品だった。それにしても、小説に出てくるホテルに泊まって色々なところを実際に見聞きしてこられたなんて、うらやましい」と言って、姿を消したかと思うと、「ほら、これよ!」と本箱から「深い河」を出してきました。名作とはこのように読者の心にいつまでも残るものなのですね。文学に興味の薄い者の冒頭の言葉と文学に興味のある人々との思いとの差を感じたことでした。
218.220.33.37
南田辺のO
2005/06/07 20:31
Oさん、裏を明かせば、私にとってブログ記事の作成は、見た目と大違い。 ”スワン(水鳥)”状態で、毎回アップアップしてます。掲載までに概ね1週間掛かってす。インターネット検索による関連資料収集、書籍の再拾い読み、等々。これも、息子の部屋が空き、初めて書斎を持てて自由な時間が使えるようになったおかげです
222.12.181.20

2005/06/07 20:33

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