村上春樹ワールド

「コルチカム」の花が開きだした。

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2週間程前、家人が球根を買い、容器に放り込んだままであったが、先週から芽を出し、見る間に成長。
1週間足らず、しかも室内に置いたままの状態で薄紫の可憐な花がついた。
別名「犬サフラン」と言い、球根を籠、小鉢に置いておくだけの栽培(空気栽培)で鮮やかな花が咲く”土も水もいらない夢のような花”とのこと。
不精な人間にはうってつけの花である。

9月18日に村上春樹さん久々の短編集『東京奇譚集』が発刊され、早速購入し、一気に読み上げた。

今月の初めには朝日新聞夕刊で、2日にわたって「村上春樹が語る」との特集記事も掲載され、氏の最近考えていることが語られていた。
「意識の奥のトンネルをくぐり、物語を呼び出す」ためには「体力、気力、持続力」が必要とストイックな生活を相変わらず送られているようだ。 
 
村上春樹さんの世界には長編デビュー作品『風の歌を聴け』(1979)で、同世代特有の匂いを感じ、軽快なタッチで描かれた青春に触れて以来、はまりこんでいる。

第2弾の『1973年のピンボール』('80)、青春3部作の完結編『羊をめぐる冒険』('83)を経て、『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』('85)の大作では「僕」と「私」の同時進行物語を読みこなす為、読書休暇を取った想い出がある。
 
僕は三十七歳で、そのときボーイング747のシートに座っていたという出だしから始まる『ノルウェイの森』('87)は、着陸間際の飛行機でBGMとして流れるメロディーで混乱した「僕」の部分《最初の1ページ》まで読み返しただけで、登場人物「直子」「レイコさん」「緑」の記憶が断片的に浮かび、ジーンとしてしまう。
の装丁もお気に入りの、我が書棚の宝物である。

その後の読書履歴は長編では『ダンス・ダンス・ダンス』('88)、『国境の南、太陽の西』('92)、『スプートニクの恋人』('99)、『海辺のカフカ』('02)、『アフターダーク』('04)と続き、氏の世界で揺れ動いている
『ねじまき鳥クロニクル』
('94)だけが読む機会を失していることになる。

新聞の特集記事で、読解について「私はこう読んだといえば、それが正しい読み方です。」。
創作への取り組みについては「小説を書くのも翻訳するのも、楽しいから。いくら文章を書いても、本当に飽きないですね。」
このように語られているが、そこからは村上春樹さんの優しさ、誠実さと、真面目さ、が感じとられる。

この度整理してみた村上春樹読書記録では、その他短編集として『中国行きのスロウ・ボート』('83)、『パン屋再襲撃』('86)、『レキシントンの幽霊』('96)、翻訳小説として、氏お気に入りのサリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』('03)がある。
 
『東京奇譚集』には短編5作が集められているが、どの作品からも村上春樹ワールドを味わう事ができた。

「偶然の旅人」ではピアノ調律師の「彼」に心打たれ、
「ハナレイ・ベイ」ではサチさんと若者との会話に心和み、
「どこであれそれが見つかりそうな場所で」はまるでベケットの舞台を見ているような気持ちになり、
「日々移動する腎臓のかたちをした石」の淳平とキリエに”意識の奥のトンネル”を垣間見た。
書き下ろしの「品川猿」はいつもの非日常”村上春樹ワールド”にドップリ、シッカリ浸らして頂けた。

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